ピアノ調律師

今、目の前にあるピアノ・・・・・
その状態から、限りある条件(時間・料金・環境)の中、
理想の状態に近づけます。
それは違うモノに変更にするのではなく、
ピアノの潜在能力を高める事に挑戦する仕事です。。

下記の図の外円(緑色)がピアノの理想的なバランスです。その中の項目は3つ。

調 律 (音律) 数学的 基準ピッチに230本の弦を確実に組合わせ持続させる技術
整 音 (音色) 音楽的 発声を創造し、本体が求める音色にハンマーの弾力を調整する技術
整 調 (タッチ) 物理的 タッチを創造し、アクションが求める動作寸法に、各部を調整する技術

調整のイメージポイントは中心となり、そこから外円に向かって理想の状態を求めて行きます。
常に条件(時間・料金・環境)との戦いです。
よって、調律師独自の考えがしっかりできてないといけません。


追求するスタイルは大きく3つあり、限定という訳でなく、様々な形でからみあっています。

大衆派 一般ユーザー・レスナーや地域公共施設などを対象に幅広く活動し、家庭におけるピアノの価値感を左右する重要な存在
コンサート派 プロの音楽家を専門とし、演奏会・録音・すべてのプログラムを完璧にホローし、芸術作品を造りあげる。花形的存在
リペア・レストア派 ピアノを歴史的、芸術的、構造から吟味し、塗装・木工・金属加工等の熟練した技術をもって蘇らせる技術職人

た、その運営スタイルは大きく2つ分かれ、さらに5つに分類されます


メーカー社員
ピアノメーカー社員調律師となります。
会社員ですから、経営者の意向に従わなくてはなりません。
今現在、日本におけるピアノ販売は低迷し続けており、特に新品は厳しい状況です 
その為ピアノ販売を重点においた調律師でなくてはなりません
最近では、ピアノ関連品以外の家庭用品も販売する調律師を求められます。
生活安定と言う意味では組み合いもあり、給与も保証されて安心できます。
しかし、リストラは否定できません。
楽器店社員
ピアノ他一般楽器を仕入れ販売する楽器会社の社員調律師となります
やはり、調律師といえども今の時代は楽器店業のすべてをこなす人材が求められますので、扱う全商品の販売、設置、保守を行います。
生活安定と言う意味では、保証されている部分も多いです。
しかし、これからは踏ん張り所でしょうか・・。
自 営 楽器店の経営者を含む自営調律師のことです。
自らの方針、目標で業務に挑むことになります。
経営感覚を持ちながら技術に対してもハングリーでなくてはなりません。
特に今の時代、普通にこなすだけでは淘汰されてしまいます。
常に発展を望む意志が求められます。
やはり踏ん張り所です
メーカー楽器店嘱託
メーカー及び楽器店の所属(契約)・・調律師です。
一般的なケースとしては、調律一件につき、7割収益として得られ、残り3割は所属先の取り分となります。
税務上は自営業となりますが、所属先の看板(信用)を利用できる点など宣伝上ありがたく仕事ができます。
しかし、立場としての発展はなかなか望めません


上記の大まかな形態は昔から変わっていません。
どの形態が良いとも、判断はつきにくいものです。
ただ、いい仕事をする調律師は形態関わらず、存在します。
調律技術は形態ではなく、どういう仕事を
どれだけこなしたか?だからです。

しかし営業的な部分が強すぎると、質より量という志向になり
調律を楽しめなくなり、ストレスでやめていく人も多いです。
若い調律師が育ちにくい体質はここにあります。

近年、日ヒ調協会・メーカーを越えて、欧州メーカーのさまざまな研修や
勉強会など実施されるようになり、技術の解釈は広がっています。

ただ調律師は音楽家であり、芸術家でもあります。
集団はそれを研ぎ澄ます場所。

所属先・某研修会等での試験に合格、
○○会員
○○級
○○認定
・・・・・・?

名刺で勝負するより、結果で勝負できるのがプロの調律師。

また、制約にとらわれず今の時代にあった理想の
運営方法を求めていくことが、
調律師と経営者の共存の道と言えます。

私?
毎日さまよっております。
(オイオイ、道はこっちやぞ)


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